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「良いもの」こそ身近にある。オーガニックコスメで近江八幡の魅力を伝えたい

近江八幡の魅力を探求する
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「良いもの」こそ身近にある。オーガニックコスメで近江八幡の魅力を伝えたい

小林優子Yuko kobayashi

近江八幡市セレクトショップidea note 店主
滋賀県甲賀市出身
結婚を機に近江八幡市に拠点を移しidea note店主として活動中。予約制であなただけのアイテムを作る蒸留ワークショップを開催している。

旧市街地・まちや倶楽部でヴィンテージ小物を取り扱うidea note。店主自らフランスやタイに買い付けに行ったボタンやレース、アクセサリーが並び、唯一無二のアイテムに出逢える場所です。2021年には自身の経験をもとに作ったオーガニックコスメブランド「ide earth イデアース」もスタート。コスメ製作を通して見えてきた近江八幡市の魅力、今後の展望についてお話しを伺いました。

街並みと雰囲気に魅了され、まちや倶楽部への出店第一号に

めぐるり編集部(以下、めぐるり)
旧市街地にある旧酒蔵だった近江八幡まちや倶楽部(以下、まちや倶楽部)でお店をするきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

小林さん
大学で服飾を専攻していて「物作り」をするのが好きでした。子どもが生まれて幼稚園に入るときに、入園グッズを手作りしたのですが、お弁当袋とか10年ぶりくらいにミシンを触って、それがとても楽しくて。作ったものを褒められたりして、それなら自分で販売してみたいなって、手作りのポーチや手芸品をマルシェなので販売するようになったんです。あくまで趣味で月に数回ほど出店する程度でした。

そんなとき、雑貨をやっている知人が出店している永原町の尾賀商店に遊びにいったんです。知人はそこから出ると言うので、「これからどうしはるんですか?」と尋ねたんですね。私としては、知人が今後どうしていくのか聞いたつもりだったのですが「この出店場所はどうなるのか?」と受け取られたみたいで、「小林さん、ここに出店したらいいやん!」という話の流れになって。ぼんやりと将来はお店を持ってみたいって思っていたので、「やる!」って即答していました(笑)。

尾賀商店は古民家の中に、いろんな出店者がそれぞれのブースを持っているような感じ。みんなが助けあってお店をしている雰囲気で、商売をしたことがない私にもいろいろと教えてくれて、商売を現場で学ぶとても貴重な機会になりました。

お店をスタートして半年経った頃、事情があり次の店舗を探すことになりました。どうしようかと旧市街地を歩いていたところ、ちょうどまちや倶楽部を見つけたんです。当時はまだ宿泊施設ができたばかりの頃でしたが、旧市街地の街並みやヴォーリズ建築の雰囲気が気に入り、オーナーの宮村さんにここでお店を出したいと直談判したんです。

もともとはテナントを入れる予定はなかったそうなのですが、数日後に連絡があり「面白そうなのでぜひ検討してみます」と。そこからまちや倶楽部でお店を出すことになりました。自分の要望を聞いてくれた宮村さんには感謝しています。

まちや倶楽部オーナーの宮村さんと談笑する小林さん

めぐるり
すごい行動力ですね!まちや倶楽部に移ってからはどんなものを販売していたんですか?

小林さん
初めはセレクトショップのような感じでしたが、国内を探せば売っているものもあり、面白くなくなってきたんですね。そこで、フランスやタイのチェンマイにボタンやレースなどの小物を買い付けに行くようになりました。唯一無二のヴィンテージ品に魅力を感じていて、それをお客様に提供するようになっていきました。さらに、最近はオリジナルのオーガニックコスメに力を入れているんです。

DIYで壁にしっくいを塗った店内は、素敵なモノで溢れている
可愛らしいヴィンテージ小物が並ぶ

近江八幡の恵みを詰め込んだスキンケアブランドの展開

めぐるり
ヴィンテージ小物に加えてオーガニックコスメへの展開は大きな印象ですが、何かいきさつがあったんですか?

小林さん
私自身の体調が悪くなったときに、オーガニックコスメに助けられたのがきっかけです。2020年頃に人間ドックに行ったら、ピロリ菌が見つかったんです。薬を飲んで除菌しましたが飲み終えた頃に重度の蕁麻疹(じんましん)が出てなかなか治りませんでした。

そんな時、以前、石垣島で買った月桃(げっとう)の無農薬ローションを塗ってみたところ2週間くらいでほぼ完治したんですよ。「植物の力ってすごい!」と思い、自分でも作ってみようかなと思ったのがきっかけで、ide earth(イデアース)が誕生しました。

オリジナルのオーガニックコスメ「ideearth」

めぐるり
オーガニックコスメ製作への想いが伝わってきます。直接肌に触れるからこそ、素材にもこだわっているのでしょうか?

小林さん
近江八幡の無農薬農家さんの野菜とハーブを使っています。形の悪いものなど出荷の過程で規格外になる野菜を使い、店内で蒸留した蒸留水を石垣島の工場に送ってローションを作ってもらっています。

原材料からって結構大変なんですが、その時々で採れる地元のハーブや野菜を使って作るのは楽しいです。元々が酒蔵だったこの場所はお酒の仕込み水に使う上質な湧水が出ていて、それを使った蒸留水はハイブランドにも遜色ないほど。いい資源を使わせてもらっているなと感じています。

地元の野菜やハーブ、湧水を使った近江八幡市の魅力とパワーがギュッと詰め込まれたコスメになっています。

「誇れるものこそ身近にある」地域の魅力を伝えたい

めぐるり
蒸留のワークショップなどもされていますが、今後の展望などはありますか?

店内にある蒸留機

小林さん
好みのハーブを選んでオリジナルのローションやスプレーなどを作ることができます。
自分の好きなものをじっくりと選び、ゆっくり蒸留する時間は、自分と向き合う大切な時間。香り、音など五感で是非楽しんで欲しいひとときです。

自分がこの場所でお店をしているからこそ感じることですが、地元農家さんが作った野菜やハーブ、旧市街地の街並みやヴォーリズ建築、そしてこの旧酒蔵の水など誇れるものって周りに沢山あるんですよ。「良いもの」こそ身近にあるんだよっていうのを知ってもらいたいですね。

今ある資源を大切に使いながら、その魅力を後世に伝え残していく。それが大切な使命だと思っています。

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idea_note(イデアノート)
・雑貨と服飾&オーガニックコスメの店
・ビンテージビーズ等のマニアック手芸屋
・蒸留体験(地元有機植物を元酒蔵の湧水で)
・オリジナル自然派化粧品(滋賀県近江八幡市まちや倶楽部2階)
・定休日火曜木曜
・時折POPUPや百貨店催事プロデュース